オープンリーグ・メモランダム【午後の部】

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昼休みを挟んで午後からは所属チームの垣根を越え、2つのレベル(アドバンスド&ビギナー)に分けてこの日限りのMIXチームを結成しました。また午後の部は精神障がい当事者だけでなくスタッフや家族、飛び入り個人の参加も大歓迎という事でBOSCO NEXTやシンビアスの監督も参入、更には静岡から精神障がい者フットサル活動の見学をしにきた精神保健福祉士の女性がそのまま参加されたりなど、文字通りオープンなMIX状態でのチーム編成になりました。


その前にちょっと昼休みの様子を。
チーム単位での活動は午前で終わりという事もあってか、昼休み中の空きコートで既にチームを超えた交流が始まっていて、ボクもEVOLVIENT F.C.のメンバー(男女2名)となのはな会(千葉県の若者の居場所)のメンバーと一緒にボールを蹴りました。どちらからともなく始まったパス回しですがEVOLVIENT F.C.のお二人はとっても気さくに話しかけてくださり、今回、大会運営に追われてボールを蹴る暇のなかった(そして熱戦尻目にボールを蹴りたくてウズウズしていた)ボクとしては、貴重な楽しいひと時でした。
MIX部門はチーム編成後、まずはチーム名とキャプテンを選んでいただいたのですが、この作業が即席チームをチームとして結束させるのにとっても有効で、その時の楽しげな雰囲気は、結果表のチーム名からも伝わってきます。そういった事も手伝ってか、MIXチームアドバンスドリーグは、さすが経験豊富な参加者が集まっているだけあって即席チームにも関わらずところどころで目を見張るチームプレイがあったように思います。普段はライバル同士の選手がその日限りのドリームチームを結成するという少年マンガ的展開は、少年ジャンプを聖典として育った身としては、もうそれだけで理屈なしに素晴らしい!
MIXアドバンスドリーグ結果
優勝:アダディス
準優勝:おれんジじゅース
3位:テニ卓サル
4位:桃太郎電鉄


MIXチームビギナーリーグは、FCプラムとFCピカチュの2チーム(各10名)に分かれて、まずは佐々先生によるフットサルクリニックを行いました。
最初にチーム内で名前を呼びながらパス回しで、名前を覚える程度によって徐々に入れるボールの個数を増やしました。これはやっていくとみんな比較的短い時間で名前を覚えていったのでとても有効で、今後のMIXでぜひ定番になればと感じました。
その後は、様々なバリエーションでのボールのパス回しを行いましたが、
・動きながら止める、蹴るの精度を保つ
・相手を観る、味方を観る、スペースを観る→そして動く
・常にゲームを意識する
の三つのポイントを最初は何も言わずやってもらったとのこと。するとそのうち「この練習の意味は何ですか?」とのすばらしいフィードバックを受け、以後は早めに上記の意図を繰り返しポイントを話したそうです。次にウォーキングサッカー。最初は追い越しが少なかったですが徐々にスペースを見つけてオフザボールのプレーヤーが動く、そこに早い縦パスが入るシーンが出てきたように感じました。そういった練習を踏まえた上で、最期は普通のゲームを実施。「もう一段階プレーの質を上げるために練習から頭を使ってやりましょう」という先生の主張に、うんうんと頷く方が多かったのが印象的でした。


一日を通して感じたのは、なでしこ(女性)プレイヤーの頑張りでした。時に男性よりもアグレッシブに動いていたし、声出しに至っては男性より女性の方が目立っていた印象でした。特にコート補助スタッフ曰く、グループふれーつの女性はかなりレベルが高かったとのこと。(いうまでもなくフットサルのレベルが、ですよ!)


参加者全員での会場片付けの後、閉会式ではチーム順位と各種個人賞(得点王、アシスト王、敢闘賞)と次回告知をおこないました。


精神障がい者フットサル活動が活発になる中で関連の大会も増えてきて、既に何回か顔合わせしているチームもあったかと思いますが、今回、参加者全員による運営スタイルやMIXチームなど、一歩踏み込んだ形の交流ができたのではと思っています。
設立1年目の若いチーム、オムハビユナイテッドは、手探り状態でのチーム運営をしていた中でBOSCO NEXT代表が紹介されていた新聞記事を偶然目にしたことで自分達以外にもフットサル当事者活動があることを知り、それをキッカケにそういった情報を積極的に収集するようになった流れで今回の大会に出場することになったそうです。ボクは試合と同じくらい(あるいはそれ以上に)チームやサークル運営を行うことにこそ精神障がい者フットサル活動の意義があると最近とくに感じているのですが、オムハビユナイテッドの皆さんとは今後も運営方法などで積極的に協力していこうと手を取り合いました。縁あって栃木から見学にいらっしゃった看護師さんは、地元栃木でもフライハイト栃木のようなフットサルの当事者活動が行われていることをこの大会で知ったとのことで、お互い連絡先を交換されていました。また、グループふれーつとEVOLVIENT F.C.には、それぞれの地元に今回の活動を知って頂くために大量の配布用リーフレットをお渡ししましたが笑顔で受け取って下さり感謝です。埼玉のチームは気さくな方が多いっ!こうやって繋がりがまた新たな繋がりを生んでいくんでしょうね。
精神障がいに関わる単語として『オープン/クローズ』というものがあります。自分の障がいをオープンにして、あるいは隠して就労するという意味ですが、オープンリーグでの午後のMIXチームや大会運営スタッフを当事者、支援者、その家族で混ざりあって実施していく様子は、傍から見ていて誰が当事者かどうか分からなかったですし、とくにみんな意識もしなかったように思います。それもこれもまずは皆でフットサルを楽しむという大前提があったからだと感じています。皆で楽しい事をしたら結果的にノーマライゼーションやソーシャルインクルージョンという理念を実践していた…そんな流れは、フットサル活動だけではなく今後の精神保健福祉における大きなヒントになるような気がしています。そういった可能性を秘めた!?オープンリーグの運営ノウハウは文字通りオープンにしているので、自分達の地域で当事者主導イベントを開催してみたい、あるいは次回大会(H28年7月17日:千葉ポートアリーナで開催決定)には運営側として関わってみたいという方は下記アドレスに気軽にご連絡くださいね。
オープンリーグ運営事務局
openleague_info@freeml.com
後援の千葉県、千葉市、千葉県サッカー協会、日本ソーシャルフットボール協会。協賛の新検見川メンタルクリニック、ひだクリニック、あしたの風クリニックの後ろ盾があったからこそ実施できた大会だったと思います。
メンタルスポーツ与作のお二人のスタッフには受付から結果集計、果ては怪我人対応までやっていただき本当に感謝です。
また、記事内の素晴らしい写真は、某支援施設のTさんと佐々先生の娘さんによるものです。取り留めのない雑記に彩りを添えていただいた身として最大級の感謝っ!
最後に。
今回、代表の中津さんのアイデアとオープンマインドな人柄に様々な賛同者が加わり、関東各地から参加者が集まる事により実現されたオープンリーグから様々な繋がりや気づきのキッカケがうまれましたが、今後も出会いのプラットフォームとしてオープンリーグを成長させていければと強く想っています。もちろん今回のようにみんなでっ!

※最後の集合写真。参加者はこの5倍以上いたのですが、遠くから来ていただいたチームが多い関係で、大会途中で帰らざるをえないチームも多かったのです。改めてお疲れ様です。
※写真掲載に関して、既にwebサイトでメンバー写真を掲載しているチームを除いて出来る限り個人が特定出来ないようなチョイスを心掛けたつもりですが、写真に写っている方で気になる部分がありましたら即座に差替えます。『プロフィール』内のメールフォームから気軽に連絡くださいね。

コメント

  1. ちばっしー より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    グッドイベント、ナイス運営!

  2. マモル より:

    SECRET: 0
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    [色:0000FF]>ちばっしーさん[/色]
    ちばっしーさん。今回の大会は本当に参加者のみんなの協力あってこその運営だったと思います。
    なんせ、設置から片付けまで参加者でやりましたからね。
    本当に感謝。